バンコクから昆明までの全所要時間は24時間以内に短縮。
中国とタイの往来には、一般的な航空機の利用の他に、全行程を鉄道で旅するという、通好みのルートが存在します。現在主流となっているのはラオスを経由するルートです。まずタイ側から列車に乗りラオスの首都ヴィエンチャンにあるカムサワート駅へ。そこから市内の交通機関で中国ラオス鉄道のヴィエンチャン駅まで移動し、国際高速列車に乗り換えて中国を目指す、という流れになります。
タイ国有鉄道が運営するカムサワート駅は、現時点では中国ラオス鉄道の路線とは接続されていません。カムサワート駅からタイ方面への列車は、133/4次(クルンテープ・アピワット中央駅~ヴィエンチャン・カムサワート駅)と147/8次(ノーンカーイ駅~ヴィエンチャン・カムサワート駅)の1日2往復のみです。中でもバンコクから直通の133次列車は、ラオスへ向かう際に最も利用される便で、21時25分にバンコクを出発し、翌朝9時5分にヴィエンチャン郊外のカムサワート駅に到着します。
以前のダイヤでは、唯一の国際直通列車D88/7次はヴィエンチャン駅を朝8時に出発していたため、133次列車で到着した場合、どうしてもラオスで一泊する必要がありました。しかし最近のダイヤ改正で、新たに国際列車D83/6・D84/5次が新設されたのです。
このD84/5次列車はヴィエンチャン駅を11時25分(現地時間)に出発します。これにより、タイからの133次列車で到着した乗客も、理論上その日のうちに乗り継ぎが可能になりました。タイから中国を目指す旅行者にとって、ラオスでの宿泊が不要になっただけでなく、バンコクから昆明までの所要時間も24時間以内に短縮されました。これは、鉄道旅行ファンなら一度は体験してみたいルートと言えるでしょう。